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アショカ・ジャパン
Reading 01

「チェンジメーキング」の過去、現在、そして未来

-チェンジメーキングの変遷-

1981年春、私たちは当時ボンベイと呼ばれていた場所において「チェンジメーカー」という言葉を初めて公に用いました。この言葉が辞書に掲載されたのは、わずか7〜8年前ですが、「チェンジメーカー」という言葉は現在では世界中で日常的に使用されるまでになりました。

(ビル・ドレイトン、アショカCEO及び創設者)

社会起業家からチェンジメーカーへ

画像ビル・ドレイトン氏が1970年代に創り出した「社会起業家」という考え方は、その後瞬く間に世間一般へと浸透していきました。「社会起業家」こそが世界規模の問題に対して、社会の仕組みそのものを改変し、問題を包括的に改善することできる、より良い世界の実現が可能になると信じ、アショカは設立されました。 しかし、1980年代になる頃には、この考えの問題点が浮き彫りになりました。国境をこえて急速に広がる世界の課題のすべてを網羅することは不可能だということにアショカは気づいたのです。そこで新たに生まれたのが「チェンジメーカー」という考え方でした。

世界を変えるための精鋭フェローシップ

画像アショカはこれまでの35年以上の活動の中で、社会の変革の先頭に立つ社会起業家のための最大規模となるグローバルネットワークを構築・推進してきました。アショカが支援するフェローたちは、将来的な世界的社会変革のための道筋を定義する役割を担うことにもなるのです。

アショカフェローはいわば「希少品種」とも言えます。彼らは自らの堅実な生活の中から物質的欲求を満たすのではなく、他者のために何かをすることに幸福を見出すという人生の目標を見つけている人々なのです。

毎年アショカでは社会起業家の中から数名をアショカフェローとして選抜していますが、フェローの取り組みの9割は、各国政府やその他のNGOに取り上げられ、より規模の大きなプロジェクトへと成長しています。 アショカ・ジャパン代表の渡邊奈々氏は、アショカフェローであるデイヴィッド・グリーン氏やバート・ウィートジェンス氏が、かつて信念や生き方について語ったことを、今でもよく覚えていると語ります。 例えば、誰もが利用できる医療技術と医療サービスを革新的かつ実用的な方法で提供する、デイヴィッド・グリーン。

「初めて会ったとき、デイヴィッドは自分の人生とは何か、その意味、その価値とは何かについて語ってくれました。大学生の頃、時間に限りのある人生をどう生きたいかを自分に問うたというのです。いい仕事、いい家庭、いい住まいを手に入れることを目的とした人生、つまり自分のために何ができるかを追求する人生と、他者のために何ができるかを追求する人生。生き方には二つの選択肢があり、デイヴィッドは後者を選択した、と話してくれました。」

また、渡邊氏はバート・ウィートジェンスのこともよく覚えていると話します。地雷を嗅ぎ分けることができるアフリカオニネズミの特性に注目し、ネズミの訓練を通して地雷除去という形でコミュニティの安全確保に取り組むAPOPOの創設者であるバートは実は、仏教僧という意外な一面を持ちます。

画像「2006年、世界経済フォーラムでの社会起業家リトリートで初めて会ったとき、バートはまだ仏教僧ではありませんでしたが、日常的に瞑想を行っていました。後で会ったときには、彼は自分自身の内面(インナーソウル)に向き合うことで、自身のバランスを保つことができていると話してくれたのでした。彼の活動は、良心を通して平和・安定を構築するという部分で、どこか瞑想と通じるものがあるのだと思います。」

次世代を育てる「エンパシー」と「エンパワーメント」

画像3,800人のアショカフェローの内31%はすでに世界的な基準に挑戦し、変革をもたらしましたが、それでも、チェンジメーカーの数よりも課題の数のほうが多いのが現実です。全ての人々がチェンジメーカーとなりうる世界、自分自身の能力や資源を全体のために使うことができる世界——これがアショカの描いている未来図です。その未来図の実現のために最も重要なのは次世代を担う若者であると位置づけ、アショカでは若い世代がチェンジメーカーとして必要なスキルや思考を養うための様々な支援を行っています。

画像アショカは「チェンジメーキング」という定義を認知させると同時に、必要不可欠なスキルであるということを広く認知させるために率先して働きかけ、この考え方を国際的な教育システムの一環として導入することを提唱しています。その成果として、アショカは「チェンジメーキング」をインターナショナル・バカロレア取得ための基準のひとつとすることに成功、今年から世界45か国、4,600校でのバカロレア取得の基準として導入されています。

さらに、「チェンジメーキング」のスキル育成教育においてもっと重要なのは「エンパシー教育」であるという趣旨のもと、アショカは世界の教育現場の中で親世代に働きかけ、子供たちのエンパシーを育成し、問題に気づくことができる能力を養おうとしています。

画像一方、「ユースベンチャー」という取り組みでは、日本の子供たちに渡米する機会を提供し、アショカフェローたちと実際に議論を行う場を提供したり、「アショカU」というプロジェクトでは、各地の大学と協力し、入学選考の合格枠の一部をチェンジメーカー向けに確保、現在、60以上の大学がこのネットワークに参加しています。

例えばサンディエゴ大学では、この大学で学ぶ学生には「世界をより良くする」という宣誓を課すまでになりました。

「普通の人たち」が持っている変革へのパワー

画像ANAでは、私たちのビジネスの中核である空の旅の提供を通して、「普通の人たち」が内に秘めている変革への動力を引き出すためのアショカの活動をサポートできると考えています。デイヴィッドやバートといったアショカフェロー、チェンジメーカー個々人の支援はもちろん、アショカのスタッフにフライトを提供することで、アショカの活動を直接支援しています。

読者の皆さんも、マイルの寄付、BLUE CLASSのフライト利用、この記事をシェアすることでアショカを支援することができます。この機会にぜひチェンジメーカー・ムーブメントに参加してみませんか?

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