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アショカ・ジャパン
Reading 02

若い世代へのエンパシー教育が
日本の社会課題解決の鍵になる

少子化問題、超高齢化社会、経済格差など、日本が抱える社会課題はここ数年、さらに複雑化・多様化しています。アショカ・ジャパンは、それらの問題の本質にいち早く気づき、解決のための具体的な行動を起こす人を一人でも多く増やすため、社会起業家であるアショカ・フェローの活動支援のほか、素質を持つ10代の若者を中心に、次世代を牽引する人材の発掘・育成に積極的に取り組んでいます。

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自らの力で何かを成しとげる若者に
思い切り試行錯誤できる環境を

現在、世界97カ国で約4000人が名を連ねるチェンジメーカー、アショカ・フェロー。彼らを総動員しても、今ある社会課題の数に対して手が足らないという厳しい現実があると言われています。これを打破するには、すべての人がチェンジメーカー的マインドを持ち、気づきを行動に変えていくことが理想だといえるでしょう。

そのための一歩として、アショカは世界中のチェンジメーカーの素質を持った12〜20歳の若者を対象にした教育プログラム、ユースベンチャーに注力しています。この背景には、世界で活躍するアショカ・フェローの約8割が10代のうちに問題解決のための行動を起こしているというアショカの調査結果があります。さらに行動を起こした彼らの共通項としては、保護者が子どもの考えを否定することなく、行動を寛容に見守っていたということが挙げられます。これらの事実から、チェンジメーカーが育つためには、大人が子どもを主導するのではなく、あくまで子ども本人の気づきや内省を尊重しながら自由に試行錯誤できる環境が必要だという結論を導き出すことができました。

アショカ・ジャパンは、社会を良くするアイディアを持ち、実際のプロジェクトとして実現させている若者チェンジメーカーを過去10年間で112組、ユースベンチャラーとして選出・支援してきました。最新の10組は、コロナ禍の中でも歩みを止めず、内発的動機と行動力を有した、個性豊かでやる気に満ちた若者たちです。「児童養護施設の子どもたちに豊かな読書体験を届けたい」、「不透明なヘアドネーションのシステムをクリアにしたい」、「感覚過敏の人の生きづらさを緩和し、理解者を増やしたい」。彼らに伸び伸びと力を発揮できる環境と機会を提供することで、それぞれのプロジェクトを拡大していってもらいたいと願っています。

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チェンジメーキングの鍵となる
エンパシー教育の重要性とは

チェンジメーカーに必要なスキルの土台は、想像力を持って意識的に他者の立場に自分を重ね、その人の思いを感じ取る認知的エンパシーです。これは誰でも訓練で養うことができる力と考え、アショカ・ジャパンではさまざまな角度から教育プログラムに取り入れる働きかけを行っています。
2020年の暮れからスタートした中高生対象のLEAPと名付けられたワークショップは、丁寧な内省を通して“自分が本当に取り組みたい問題を見つけること”を目的 としています。さらに同世代のロールモデルとしてユースベンチャラーがプレゼンテーションをすることで、受講生たちを刺激し、行動を変えるきっかけを掴んで欲しいという狙いがあります。

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他には、チェンジメーキングの本質を正しく理解できるようにチェンジメーカーの歩みを子ども時代から追体験するレクチャー&ワークショップJOURNEY OF INNOVATIONも2018年から始動。アショカ・フェロー本人に自身の人生を語ってもらい、その軌跡を追体験できる貴重な機会となっています。これまでに優秀な若者をリクルートし過疎化・高齢化が進む地域のプレーヤーとなる新しい流れを作った林 賢司氏や、生活習慣病予防を一人ひとりが管理できる1項目500円のセルフ健康チェックを開発した川添高志氏らを招き、貴重な体験を共有してもらいました。社会変革の道筋を示したこのレクチャーの記録は、今後教材として広く活用していきます。

この国に必要なことは
変化を起こす勇気

人間の能力の中でも数値化できない意欲、自信、忍耐、共感、協調などの心の能力を非認知能力といいます。チェンジメーカーに必要なのは、まさにこの非認知能力。
メキシコやアルゼンチンをはじめ、いくつかのアショカ支部では、子育て中の企業社員向けのワークショップYour Kidsを実施しています。親が子どもからチェンジメーカースキルを引き出そうとする取り組みは、新しい時代に備えた教育の可能性を示しています。ところが日本でパイロット版を実施したところ、「学力テストで結果を出す以外の教育には無関心」という価値観を持たれている方々がマジョリティであることが分かりました。
学力と呼ばれるものは認知能力であり、「世の中に貢献する人になりたい」などの夢を持つことや、粘り強く何かに打ち込むといった非認知能力は学力の向上によってもたらされるものではないといいます。アショカ・ジャパンでは子どもがこの激動の時代を生き抜くために本当に必要な教育を届けるには、親世代の啓蒙が急務だと考えています。

画像参加者のワークシートより

一人ひとりがエンパシーを持った
成熟した文化的社会を目指す

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アショカ・ジャパンは、東アジアにおける第1号支部として2011年1月11日、代表の渡邊奈々氏によって発足しました。公益のために個人や企業が時間やお金を費やすという考えがいまだ珍しい日本では、アショカの活動趣旨はなかなか理解されません。そんな中でも共鳴してくれる方々の存在は大きく、アショカ・ジャパンは今年12年目を迎えます。
「日本の社会課題は山積みですが、いちばん根深い問題は、人の心が後退しているように感じられることです。この先、人口減少を含むさまざまな要因によって国力が縮小していくのは避けられないかもしれません。でも人々の心にエンパシーがあれば、成熟した文化を維持し、幸福を共有しながら暮らすことはできるはずです。そのためにアショカが果たすべき役割は、エンパシーを土台としたチェンジメーカー教育を広めていくこと。そして、その理解者を増やしていくことです」
2022年は、世界で活躍するアショカ・フェローとユースベンチャラー、彼らをサポートする人々の交流イベントWe are The Changeを関西地区で定期的に開催していく予定です。それは20年後、30年後の未来を見据え、世の中をより良くするというアショカの共通理念を持つ日本の若者たちが活躍し続けられるような環境を整え、その周りの人々のマインドセットを推進していくことが目的です。

私たちの小さなアクションが
チェンジメーキングの扉を開ける

ANAでは、アショカ・フェロー、ユースベンチャラー、アショカのスタッフたちに、私たちのビジネスの中核である空の旅を提供することで、アショカ・ジャパンの活動をサポートしています。
読者の皆さんも、マイルの寄付、BLUE CLASSのフライト利用、この記事をSNSでシェアすることでアショカ・ジャパンを支援することができます。この機会にぜひチェンジメーカー・ムーブメントに参加してみませんか?

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